フォトグラメトリ

私がフォトグラメトリを始めたきっかけ

アトリエブラウンの遠藤です。

現在2023年です。

フォトグラメトリという言葉もだんだん知られるようになり、

お手軽なアプリも出てきてSNSで毎日のようにアップする人も出てきた今日この頃・・

私が初めてフォトグラメトリを知ったのは確か2015年ごろです。

その頃私は建築CGの仕事をしていました。

そしてサイドビジネスで人物切り抜き素材を販売していました。

以前からお客様に3Dの人物を作って販売してくれないかと何件かリクエストをもらっていました。

いや、無理無理・・

箱のような建築物の3Dしかやっていないのに人間の3Dは難しくて作れませんよ。

(とはお客様へ返していません)

前向きに検討いたします。

と返信しました。

そのうち、違うお客様から3D人物をやってみませんかというメールが来たのです。

海外で100台のカメラでフォトグラメトリで人間3Dを作って販売しているという現状と

そのリンク数個がありました。同時シャッターや3Dにするソフト情報まで!

「実は自分で実行しようと思ったが、アトリエブラウンさんが人物切り抜きの延長でやるのが良いのではないか」と。

今から思うと、よくそんなすごい情報を丸投げしてくれたものだと感謝します。

しかし、情報をもらったものの、あまり前向きではありませんでした。

100台のカメラのスタジオがその頃、2〜3カ所あるくらいの状況。

見積もりを出してもらうととんでもない金額。

とても回収できません。→あきらめる。

しばらくそのことは頭から消えてました。

8年前なので記憶がおぼろげなのですが、どこからハマり始めたのでしょうか。

気がついたら「6台のCanonEOS」と「自動回転台」を購入していました。

たぶん某有楽町の3Dフィギュア作成コーナー(現在廃業)でカメラ装置を見せてくれといったところ、従業員に冷たく企業秘密ですと冷たくされ、凹んだ気持ちがバネになったんだと思います。(違うかな)

ポールに6台のカメラをくくりつけ同時シャッターにし、回転台にうちの息子(当時高校生)に乗ってもらいました。

一周するうち、動かず、まばたきしてはいけないと言い聞かせ・・シャッターを次々切っていきました。

計算させると、まあまあ3Dにできました。

しかし、できたりできなかったりで安定しないのです。

人間なので、銅像のように微々たりとも動かないはずがなく、ブレがあるのです。

荒いものならできるが、売れるレベルではないという結論に至るまでの期間が数ヶ月ありました。

そのうち新たな人物切り抜きの撮影(2D)することを決めたとき、

ついでに同じモデルで3Dスタジオで撮ってもらおうということにしたのです。

2017年、その頃になると安く撮影してくれる個人スタジオを見つけて交渉していました。

3Dスキャンスタジオフォトグラメトリ撮影

そして撮影は何とか終わりました。

だがしかし、

今思うと無謀すぎるなあ、と思います。

ポーズドやAポーズは知識もないのに、後のこと考えず指示していましたし、

なんといっても3D加工の経験がないのに撮影していたという事実。

とりあえず撮っておけばいつでも3D化できるからという楽観的な考えでした。(怖い!120体も撮影)

フォトグラメトリ女性メッシュrealitycapture フォトグラメトリ女性3Dモデル素材建築CG

結局2年後の2019年になって手が空いたので3D化しようとなったのですが、

やり方がわからず、謎が多すぎて、しかし国内でやって公開している人は皆無。

海外のサイトや動画を調べまくる日々でした。

コントロールできるUV展開のやり方がわかった瞬間などは思わず近所に飛び出て、夜道を歩き回って、やったー!

という感じで一人で右往左往、時々ハイテンションしていました。

UV展開3D人物モデル女性3Dリアルキャラクターフォトグラメトリ

フォトグラメトリで3Dにするまではあっという間にできるのですが、その後の処理工程が膨大です。

それを初め一人でコツコツやっていましたが、ふと、この120体、

いつ完成するんだろうと計算したら気が遠くなりました。

この問題を解決すべく、2020年から会社にし、チームでやることにしたのです。

結局その120体は全部商品化に成功し、今は新たな150体を作成中です。

3Dスキャン-リアルアバター-人間キャラクター

この3年でずいぶんスキルの蓄積もできました。

トラブル回避方法、リトポのオリジナルなやり方、UV展開をさらに綺麗に、フェイシャルアニメーションなどなど。

ついでに事務所で小物を短時間で3D化できるようになりました。

ちょっとした帽子などはすぐ撮って3D化できます。

ヘルメット3D帽子3Dフォトグラメトリ撮影

手順は慣れていますので、リトポ、UV展開、マテリアル作成へスムーズに進めます。

AIがすごいことになっている!などと騒いでいる世の中ですが、いまだコツコツ3D職人です。

今のところ、AIはここまでやってくれないので、数年はやることがありそうです。

何がともあれ、この経験で得たのは、

0から始めて、誰に教えを受けることなくフォトグラメトリ人物ができたのは、

無料で学べた

ネットのおかげ

ということです。

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